Interview 1:パーソルサンクス鈴木禎久さん

高校生のとき、この人たちと一緒にいたいと感じた。

それでは30分程度でお願い致します。
最初にお会いしたときって、まだ鈴木さんがパーソルサンクスに入社される前だったと思うのですけれど、あのときに皆で高台の畑から見た夕日がすごく綺麗で今でも記憶に残っています。

高草
高草
鈴木
鈴木

あっ、畑の上に設置したトレーラーハウスの前で夕暮れの海を見ましたよね。

そうそう、高台にあるトレーラーハウスからの海の眺めが最高でした。あのときまだ親父が生きていて、あの巨大なトレーラーハウスをどうやってあの高台まで持っていったんだって話しながら帰宅しました。オーパーツの一種じゃなかろうかと(笑)。ご縁っておもしろいですよね。あのとき、こんなに鈴木さんとがっつりお仕事させていただくとはまったく思ってなかったです。

高草
高草
鈴木
鈴木

はい、僕もそう思います。
一度、高草さんのお父様と講演会でお会いしていて、たしかあのとき2回目だったんです。その後、お父様がどうも岩﨑さん(よこすか・みうら岬工房マネージャー)に自分を推してくれたらしくて。

そうだったんですね。
もともと鈴木さんは福祉をずっとされてきたのですか。

高草
高草
鈴木
鈴木

えっと、職歴的には福祉の大学を出て、そこから知的障害者の生活支援をしてました。グループホームを2棟立ち上げました。

ガチ福祉じゃないですか(笑)。

高草
高草
鈴木
鈴木

はい。それで、その仕事が終わってから9ヶ月くらい自分の時間を楽しみました。海外に住んだりとか、資格をとったりしてましたね。

海外はどちらだったのですか。

高草
高草
鈴木
鈴木

ニューヨークに。

いいなあ! かっこいい。

高草
高草
鈴木
鈴木

まあ、1ヶ月くらいだったんですけれどね。
で、その間に精神保健福祉士という資格をとったんです。もともと社会福祉士という資格は持っていたんですが、それから精神病院に勤めることになりまして。そこで農業との出会いがあったんです。

おゝ、ついに。

高草
高草
鈴木
鈴木

はい、園芸療法としての農業です。
そこの畑を任されるようになりました。
でも、しばらくしてクリニックへ異動となり、園芸療法をやらなくなってしまったので、自分で畑をはじめたんですよ。

ほう。それは園芸療法を継続したいから、はじめられたんですか。
それとも病院がきっかけで野菜づくりに目覚めたとか?

高草
高草
鈴木
鈴木

いえ、農業をはじめたきっかけはもともと3.11で食料がなくなってしまうリスクを感じ、自分で食べ物を作る経験をしておいた方がよいと考えたからですかね。

それ、帝人ソレイユの鈴木さんも似たようなことおっしゃっていて、東京は特にそうかもしれませんけれど、食料危機へのリスクを感じている人が本当に少ないって危惧されていました。

高草
高草
鈴木
鈴木

おっしゃる通りだと思います。
そんな感じで農業を経験して病院を退職して、その後ご縁があってNPO法人に移りました。そこで働きたくても働けない人と農業をつなぐ事業をやり、農福連携の就労移行支援を行うというコンセプトで動いていたんです。
過渡的雇用というのですけれど、例えばうつ病の方とかが求職活動される前に、閉じこもっていた方々が一回畑でワンクッション入れ、農作業をやってみるということですかね。そこで朝起きるとか、日を浴びるとか、生活リズムを作って就労につなげようとしていました。

だんだん農福連携に近づいてきました。

高草
高草
鈴木
鈴木

でも結局、資金面や人手不足の問題でなかなか進展しなかったんです。
で、私は職を失いました(笑)。

おやおや(笑)。

高草
高草
鈴木
鈴木

貯金を切り崩しながらでしたね。それで、もう貯金がなくなりそうなあたりに冒頭でお話したトレーラーハウスで農福連携を一緒にしないかといったお話をいただいたんです。介護をやりつつ、農業の立ち上げ、つまりトレーラーハウスとその周辺にあった畑ですよね。そちらの立ち上げをさせていただきながらA型事業所もという話だったのですけれども、やはりこちらも両方を一緒に立ち上げるには厳しくて。

聞いているだけで人手不足ですものね(笑)。

高草
高草
鈴木
鈴木

はい。で、そんなときに岩﨑さんに声をかけてもらいました。

いい働きをしますね、岩﨑さんは(笑)。

高草
高草
鈴木
鈴木

神でした(笑)。もともとパーソルサンクスの講演等には伺っていて、岩﨑さんともすでにご縁はいただいていたのですけれども、嬉しかったですね。

インタビューしてみるものですねえ。
一点だけ今の話で質問したいのですが、大学はすでに福祉を専門としたところに進学されたということでしたけれども、高校のときに福祉の道を歩まれるきっかけとかはあったのですか。

高草
高草
鈴木
鈴木

たしか高校のときの選択授業で福祉実践というものがあって、知的障害者の施設に一週間ほど実習に行ったんです。そのときに彼らが本当に素直な喜怒哀楽を表現したり、一生懸命に作品を作っている姿などを見て、この人たちと一緒にいたいと思いました。

そうでしたか。
じゃあ、きっかけは障害をお持ちの方の純粋さでいらしたんですね。
ありますよね。私は都内で高校教師をしていたところから、うっかりカンボジアで起業したのですけれども、きっかけはクメール人(カンボジア人)の純粋さと笑顔にやられた感じでした。たしかに私も感じましたよ、この人たちと一緒にいたいって。あれはズルい(笑)。

高草
高草
鈴木
鈴木

今回の企画ではなかったら、そちらの話を一時間聞きたい(笑)。
当時、思春期だった自分にとって、自分ができない表現の仕方をしている彼らがとても印象的だったんでしょうね。

あまりに食からかけ離れてしまったことが原因なのではないか。

ようやくパーソルサンクスさんの農福連携にやってきました。
すいません、鈴木さんが魅力的な人生を歩まれているので、ついここまで長くかかってしまいました。あっ、時間が(笑)。

よこすか・みうら岬工房さんの農福連携はいわゆる企業が参入される援農型に分類できるかと思うのですが、最初はどんな印象でしたか。

高草
高草
鈴木
鈴木

制限が多いなというのは感じてましたかね。

それはおもしろい。

高草
高草
鈴木
鈴木

それまで僕が自由にやらせていただいたというのもあるのですけれど、「この道具は使ってはいけません」とか「30分おきに休憩をとりましょう」といったルールが、当時の僕には制限が多いなと感じていました。

そうですよね。当然、現場では農家側のルールと企業側のルールが混在するわけですし、援農型の場合は伺う農家も日々異なってくるわけですから、農家側のルールもその日によって違ってきます。

高草
高草
鈴木
鈴木

でも、こういった形での農業ってやったことがなく、面白そうだからやってみようと思ったのが第一印象です。制約がある中で楽しもうと。

なるほど。

高草
高草
鈴木
鈴木

あと、そうだ。嬉しかったんです。
純粋なメンバーの方々と一緒に農業ができるんだっていう喜びは本当にありましたね。
これって僕がそもそもやりたかったことだよなと気づけたんだと思います。
ありがたかったですね。やりたいことに集中できるというのは。

経済的にも安定して給与が入ってくるというのも、やりたいことに集中できる環境づくりには欠かせなかったかもしれませんね。やはり明日から、どうやって生きていけばよいでしょうかといったリスクを抱える起業とは少し違う(笑)。

高草
高草
鈴木
鈴木

そうですね。
とにかく、こういった場を提供してくださったのは、すごく嬉しかったし、よかったです。

特例子会社が参入される農福連携って、社員の方が福祉や農業も初めてという方も少なくないとは思うのですけれども、鈴木さんの場合はある意味、入社時ですでに両方経験なさっていたわけじゃないですか。それに関してはよかった点とかありますか?

高草
高草
鈴木
鈴木

答え合わせできたというのは、ひとつありますね。

答え合わせ?

高草
高草
鈴木
鈴木

自分がそれまでやってきたものを実践する場があまりなかったので。あまりというのは、似た機会は個人的にいただいてはいたのですが、対象者がすごく少なかったりしましたから。
やはり集合体で農業をしていくといったことはやりたかったことでした。
で、いざ集合体で農業をやってみて、やはりこの形だよねという答え合わせができたといったニュアンスでしょうか。

そういう意味での答え合わせなのですね。

高草
高草
鈴木
鈴木

何の答え、つまり何の問題に対する答えだったかというと、障害者を雇用する場がないというのはずっと見てきたわけですよ。そして農業の人手不足の苦しさも見てきて、それは絶対お互いが抱える問題は補いあえるとは私も感じました。

マッチングはしそうですよね。

高草
高草
鈴木
鈴木

はい。その相互に補うのにはどうしたらよいかといった問題に対する答えですね。まあ、すでに実践されているところはたくさんあって、事例は見てましたけれど、実際に経験できたというのは大きかったです。
言葉では伝えにくいですが、やっぱりなという答え合わせができました。

いいですね、ノンバーバル(非言語的)な感じで。
農福ってそもそもノンバーバルな部分って結構ありますよね。

障害をお持ちの方が言葉だけに頼ったコミュニケーションをしていくのも、ある意味限界がありますし、農業も言葉よりも先に土と触れあった方が早いといった部分も多くあります。
そこをかけ合わせると、やはり言葉にしない生き方というのがあるなあと感じていて。

先日、ノウフクのロゴを作られた日本基金の國松さんにお話を伺ってえらく感動したのですが、私の理解不足も多々ある氣がするものの、要は今の資本主義を貫いていっても、ヒエラルキーができてはなくなり、また新たなヒエラルキーができてのくり返しで結局何もならないから、あまりそういった権力的なヒエラルキーができにくい農業と福祉を和合して、ブルーオーシャンに投げてしまおうといったデザインをされたんです。

もちろん資本主義が悪いというわけではないですけれども、資本主義過多といいますか、そういった問題の答えとして、ノウフクを意匠されたと聞けて、非常によかったですね。自分は父の急逝で流れるように農福連携に関わらせていただいてますが、そのノウフクの背景にそんなデザインがあったと後から知って、余計に前のめりになっています(笑)。

さらにですね、特例子会社が参入される農福連携が非常におもしろくて、一般的に企業の目的はもちろん利益を求めることなのに対し、特例子会社の場合はお金だけでは測れないじゃないですか。そこが特例子会社の経営陣の頭が痛いところなのかもしれないですけれど、個人的にその存在意義は相当おもしろいだろうなと考えいています。

高草
高草
鈴木
鈴木

やはり障害者雇用率というのを定めたことが大きいと思うんですよね。
企業も障害をお持ちの方を雇いなさいよと。しかも今、そのパーセンテージが急速に伸びているという。今年の3月には2.3%になりましたし。

近い将来は2.5%になる可能性も高い。

高草
高草
鈴木
鈴木

えゝ。そうしたときにどうするかというきっかけを作ってくれたのは、福祉の立場から言うと、よかったんじゃないかなと感じますね。

同感です。

高草
高草
鈴木
鈴木

例えば、うちのメンバーで知的と精神の両方で障害をお持ちの方がいらっしゃいます。
彼は身体の動かし方がわからないんです。

「なんで、できないんだ?」ってまわりから言われ続けてきた。
だから、「これであってるのかな?」と強迫的な症状がでてしまう。

で、そうした方がどう生きていくかというときに、ゼロからやり直していくというか、できなかったことをつめる場が必要で、それはいちばんの原始的な作業つまり食べ物を作ることだと思うんですよ。

たしかに。

高草
高草
鈴木
鈴木

その中で身体も動かすし、頭も使うし、誰かとも話すし。
そういった原始的な体験が彼にとって必要だったんじゃないかと思っていて、それはどんな障害をお持ちの方でも基本的には同じだと考えていますね。

医療現場や福祉現場を見てきて、なぜ障害をお持ちの方が増えているのかとか、なぜ精神病が増えているかといったら、あまりに本来の「食べる」ということからかけ離れてしまったことが原因なのではないかなと感じています。

「なんのために働いているんだっけ?」
「お金を稼ぐためです」
「じゃあ、なんでお金を稼ぐんだっけ?」
「食べるためです」

といった会話はよくあるかもしれませんが、その食べるものを作れないのは問題です。

すぐにコンビニとかになってしまいますものね、現代は。

自分たちで食べるものを自分たちで作らないから、結局は変なものが食べ物にはいってしまったり、究極的には何かしらの管理下に置かれてしまうことになってしまいますし。

高草
高草
鈴木
鈴木

そう。その距離を詰めるというのが自分の大目標です。

すごい! よかった、インタビューして(笑)。

高草
高草
鈴木
鈴木

社会福祉士や精神保健福祉士として福祉の課題を解決するのと同時に、根本的な課題解決ができる可能性のある場の提供であったり、そういった今までできなかったことをしていきたいですね。

いったん原点にもどる。

今は不自由を買う時代じゃないですか。
キャンプしたりとか、農業体験や貸農園も人気ですし。不自由を求めている。

それを障害をお持ちの方がやるというのも、本来の形と言いますか、有意義なことだと思います。

ユニバーサルデザインではないですが、皆に必要なことかもしれませんね。

高草
高草
鈴木
鈴木

はい。老若男女がとりくめるのが農業じゃないですか。

そんな幅広い農業に一回は携わっていただいたり、職業として関わっていく機会が増えていくのは、福祉士として非常によいことかなと感じています。表面的な問題解決ではなく、根本を見つめていきたいんです。

すごい。今、私意外にも感動しています(笑)。
そのメンバーの方は入社されて、もうすぐ一年?

高草
高草
鈴木
鈴木

はい、ほぼ一年ですね。

変わられましたか、やはり。

高草
高草
鈴木
鈴木

すごく変わりましたね。
ある意味、身体も農機具だと。
じゃあ、そのカラダという農機具を使うためにはどうしたらよいか。

例えば関節の動かし方を伝えていったりすると、彼はできるんですよ。
これまで「なんでできないの」と言われ続けた人ができるようになるんです。

それは、すごい嬉しいことですよね。

高草
高草
鈴木
鈴木

それで自信をつけています。

彼は今、おいくつなんですか。

高草
高草
鈴木
鈴木

二十代前半だったかとおもいます。

じゃあ、二十年以上生きて初めての経験だったわけだ。

高草
高草
鈴木
鈴木

そうですね。
あと今日は初めて落花生を触ったメンバーがいたりとか。そういった場がある意義は大きいと思います。

なるほど。もちろん多くの障害をお持ちの方が色々な現場で活躍されているわけですけれど、先ほどの原始的な体験を含んだ農福連携のような仕事をされている方と、同じ障害者雇用でも朝から晩まで文明的なオフィスが現場の方とでは、経験の種類が異なるかもしれませんね。

高草
高草
鈴木
鈴木

おっしゃる通りです。
やはり社会が変われば障害も変わってきます。

戦後の人手不足でどんな人でも就職できていたという時代があったじゃないですか。そのときは個性的だなと思われていた人が、今の時代では大人のADHDとか発達障害とか言われるようになってきて、それは人手が増えてきたということもありますし、あとは社会のとらえ方が変わったんだと思います。

分母が変わったわけですね。

高草
高草
鈴木
鈴木

はい。社会が変わってそんなに障害の概念が変わるのだったら、変化があまりない、つまり障害も病気もあまり気にする必要がない環境を提供すればよいんじゃないかってなるわけです。

その分母だと、仲間外れのカテゴリーにいるような感覚はうけにくそうです。

高草
高草
鈴木
鈴木

それも答え合わせのひとつになるかもしれませんね。

失敗ができる職場をつくっていきたい。

普段、鈴木さんとは人材育成として、よこすか・みうら岬工房の教材等を一緒に作らせていただいているのですが、これからどんな人材を育まれたいですか。

高草
高草
鈴木
鈴木

いい質問だなあ(笑)。

そうでしょ?(笑)
時間も残り少ないので、そろそろちゃんとした質問をしておかないと。

高草
高草
鈴木
鈴木

この質問は毎回使えるかもしれない。
これから育成していきたい人材か。
う~ん、ジリツした人間ですかね。

ジリツというのは、立つの方ではなく、律する?

高草
高草
鈴木
鈴木

はい、律する方の自律です。
自分で考えて、自分でやってみる。
で、困ったときにはリソースが出せる人。

現場の支援員のことを農業版ジョブコーチとも表現されたりしていますが、そもそもジョブコーチもナチュラサポートといったあくまで自律を支援する環境づくりを目的としているところがありますものね。

高草
高草
鈴木
鈴木

あっ、そうか。人材はそうです。
で、職場環境としては失敗ができる環境をつくっていきたいです。
安心して働けるというのは、失敗ができる場所だとおもっているので、そのような職場をつくることで、自律した人材が生まれてくる気がしています。

それはね、すごく共感できます。

私、一応、日本プロテニス協会というところに10年くらい在籍していて、CTCひなりさんなどで働く障害をお持ちの方のテニスコーチも時折しているのですけれど、テニスにおいての失敗はスポーツだから単純で、ネットかアウトしかないんですよ。で、速い球の打ち方を少し教えて、まずは思いっきり100球アウトをしてもらっています。成功しちゃ、ダメよって(笑)。

すると人間って本能的に同じ失敗は避けるらしく、徐々によいボールがコート内に入ってきます。勝手に失敗を重ねてもらって、勝手に成長してもらう。

そんな怠惰なレッスンをしています。

高草
高草
鈴木
鈴木

なるほどですね。

でも、農業もテニスと同様、かなり失敗が許される領域ですよね?
農家さんに叱られちゃいそうですが。

高草
高草
鈴木
鈴木

雑草だと思ってネギを抜いちゃいましたとか。

先ほど大根でやってきましたよ(笑)。
でも、大概は植えなおしができたりもする。

あゝ、失敗が許される環境の中で自律した人材を育てるって、しっくりくるというか、よいですね。

高草
高草
鈴木
鈴木

福祉的にはケアマネジメントと言って、基本的に対象者と関わる際は、

インテーク(導入)
アセスメント(相手を知る、課題や情報の整理)
プランニング(目標設定)
モニタリング(実施)
評価
再アセスメント、再プランニングor終結

といったプロセスを技術として活用します。

その人の状態を知り、月間目標だったり年間目標をたてて、それに対してのモニタリングをした後、評価面談をします。「もう少しスモールステップの目標にしようね」とか、支援機関と当事者でやっていくわけです。

もし目標が達成できた場合は「次の目標は何かな?」といった展開になるのですが、そういった技術は岬工房でも使ってはいます。

それで皆さん、よくなってきているという部分もあれば、まだよくならないなという部分もある(笑)。

同じ工房に所属していても、事務所が異なれば特徴が異なりますよね。

鈴木さんが現在担当されている大矢部は客観的に見て、しっかりとしたチームワークで農業をされているなという印象を受けるのですけれど、そういった面は意識的にされている部分はありますか。

高草
高草
鈴木
鈴木

そうですね。業務日誌の振りかえりをひとりではなくて、だいたい3~4人、多いときは5~6人でやっているんですよ。

そこで皆の状況を聞く。
そして、自分で発言する。

そのような場を設けているので、そこの成果もあるのかな?

それはまたおもしろいです。

高草
高草
鈴木
鈴木

するとお互いに話しだすんですよね、昼休みとか。

それが次第に定着してきて、仕事の現場でも話し合うようになったというのが私の感想です。それはやはりメンバーに恵まれているというのも大きいです。合わない人も当然いらっしゃいますから。

それはそうですよね。

高草
高草
鈴木
鈴木

そういう方々がそろっているありがたさと、その仕掛けが機能してきているのではないかなと。

今おっしゃっていたようなメンバー同士が話し合う場を提供することで、徐々にそのコミュニケーションは深まっていくものなのですか。

高草
高草
鈴木
鈴木

深まっていってますね。
逆に、メンバー同士だからこそお互いのアドバイスに従えたりとか 。
そこにスタッフが数名いちゃったら、喋らなくなってしまったりもします。

先ほどの環境が違ってしまったわけですね。

高草
高草
鈴木
鈴木

これも原始的なことのひとつなのかもしれませんが、人前で発言するといった場をつくるようにしたというのがひょっとしたら大きいのかなと感じています。

すごい。
この方法は他の特例子会社にも活かせる方法かもしれませんね。
今のうちに、著作権でもとっておきますか?(笑)

高草
高草
鈴木
鈴木

いえいえ、これは集団の心理療法に沿ってやっているだけですから。
福祉も農業もやってきて、そのあいだをやらせていただいているのは本当に感謝しています。

それでは最後に今後の抱負を聞かせてください。

高草
高草
鈴木
鈴木

より多くのニヤリハット事例に出逢うことですね。

ニヤリハット?

高草
高草
鈴木
鈴木

自分の造語です(笑)。

ヒヤリハットはリスク管理の上で欠かせない言葉ですが、ニヤリハットとはメンバーが何かを達成出来たり、理解出来たり、コツを掴んだり、感謝への応答が出来た瞬間をさします。

ヒヤリハットのポジティブ版みたいで、よいですね。

高草
高草
鈴木
鈴木

そのために、自分が農作業に没頭せず、状況を俯瞰しながら作業やきっかけとなる場面を奪わないこと、場面を意図的に用意することなどを意識していきたいと思っています。

時間もジャスト35分(笑)。
本日はお仕事後にありがとうございました!

高草
高草

鈴木禎久さんプロフィール

障害者福祉専門のソーシャルワーカーとして、グループホームの立ち上げや精神病院勤務、介護サービスを行う。また、農作業が心身のリハビリ効果をもたらす可能性に着目し、農家手伝いや家庭菜園を行う。働きたくても働けない人と人手不足の農家を繋ぐことを目標に活動中。現在はパーソルサンクス株式会社 よこすか・みうら岬工房 大矢部にて勤務。

インタビュー日:2021年10月7日